留学日記
涙、涙の実験助手
大学に来てから4ヶ月が過ぎ、研究室の状況にも馴染んで来た。研究に必要な文献調査も終え、いよいよ実験を始めることになった。 内容はインフレ-ション成形といって皆さんが日ごろ良く目にするス-パ-マ-ケットでもらう白い袋やゴミ袋、各種包装用のフィルムなどを製造するプロセスの理論解析です。 薄くて高強度なフィルム、縦と横の強度バランスのあるフィルム、高生産性、小さな試験機から大きな実用機へのスケ-ルアップの予測、成形中の破断等の不良現象のメカニズムなどが解明できる解析技術を作ると言うものです。ちょっと難しいかな(^^;) 理論式を作る前に、充分実験で製造過程の様子を把握しておく必要があった。フィルムの成形中の過程で、溶かした薄い膜のプラスチックが冷却風によって冷やされる状況を数箇所で風の速度分布を風速計で細かく測定し、同時にプラスチック薄膜の表面温度を赤外温度計で細かく読む必要があった。 これには一人が測定器を測定位置に正確に当て、もう一人がそれを読んで、記録するという実験だ。 そこで、TOMOの出番となった。2人でないと、とてもできない実験で、土曜日、日曜日は2人で実験室に通い、何日もかけての実験が続いた。この実験結果はやったお陰で、世界中の多くの研究者が活用することになった。 TOMOは、TOSHITAKAに頼まれ、わけもわからず付いていったら、さぁ大変(^^;) 早く、温度計や風速計を読まないと、怒られるぅ(^^;) こんなことはやった事がないし、目盛りは安定しないし、とても神経を使う仕事だった。 こんなことなら手伝うなんて言わなければよかったと後悔するTOMOなのであった。 それでも、苦労してとった実験のデータが分析され、グラフなどに使われると嬉しいものですね(^-^)/ そんなこんなしているうちに、夏休み~(^-^)/ 私たちも約10日間の旅行に出かけました。 車でドライブ~、と思ったのですが、まだ運転に慣れていないので、飛行機を乗り継いでの旅行になりました。 まず、ワシントンまで飛び、そこからAMTRACKに乗りフィラデルフィアへ。 さらに、ナイアガラの滝を見にバッファローまで飛び、それから徒歩でカナダ側へ。 トロント、オタワ、モントリオールとカナダ大陸横断鉄道に乗り、モントリオールでレンタカーを借り、ケベックに辿り着くという、今考えると、とても大変な旅行でした。 あのころは 若かったなぁ~~(遠い目)。 アメリカに来て初めての旅行ということで、旅行代理店のAAAに行き、飛行機やホテルの手配をしてもらった。 このAAAは、旅行の計画に沿って、ホテルの手配をしてくれたり、訪ねる都市のMAPや旅のガイドブックであるTOUR BOOKをもらえるので、とても便利だった。 もらったTOUR BOOK は、なかなか優れもので、ホテルのレートなど違っているが、観光ガイドの部分はいまだに参考にしている。(*^_^*)
ワシントンで 迷子に、、、 ワシントンまで飛行機で飛び、まずはスミソニアンの美術館、博物館のあるスクエアへ。とにかく、観るものが多く一日ではとてもまわりきれない。(^^;) ライト兄弟の飛行機を見たりして、今夜泊まるホテルに行くことにした。 が、、、。 場所が良くわからず、とりあえずアドレスを頼りにバスに乗ってみた。すると、なんだか街から離れて郊外のほうに行ってしまう。 周りを見ると黒人の方たちばかり、、。どうも黒人が多く住んでいる居住区に入ってしまったらしい。(^^;) このまま、どこに行くのかわからず、だんだん暗くなってきて二人とも不安で心細くなる。 そのうちに、またオフィス街のような所を通り始めたので、思い切って下車。 ホテルに電話をし予約の確認ついでに場所を確かめタクシーでいくことにした。 なんとか辿り着く事ができ、部屋に入るとTOMOは安心して、床にへたり込み、涙、、、、。(^^;) (無謀だよねぇ、今考えると恐ろしくて、、、(^^;)) 黒人だけで住む住宅街に迷い込んだ時は、ほんとに恐かったのです。何かされるわけでもないのですが、肌の色の違いから威圧感を感じてしまって、、、。これも偏見ですね、反省しなくちゃ。 フィラデルフィアで美術の勉強 翌日は、電車の駅が側だと教えられ、それにのって再びスミソニアンのほうに行き国会議事堂やホワイトハウスも見学した。国会は手荷物検査が厳しく、建物の規模も大きくて整然としており、アメリカという国の大きさを感じた。 ワシントンのモニュメントの上からその次の日は、前から乗りたかったAMTRAKに乗りフィラデルフィアに行く。ワシントンから2時間ほどでフィラデルフィアに着いた。 あっという間に着いてしまったので、少し物足りなかったけど、、、。 アメリカの独立当時の記念モニュメントなどが多く残る歴史的な街でした。 リバティ・ベル映画「ロッキー」の中で、シルベスター・スタローンが建物前の広場でトレーニングしていたフィラデルフィア美術館には、その昔美術の教科書で見た事のある絵が多く展示されており驚いた。 それも さりげなく何気なく飾られているので、日本との差を感じた。 日本で公開されたら、ガラスケースの中に入っていたり、厳重な警備をされていて、見るのも行列をして、ゆっくり鑑賞することは無理だろうな。 警備やガードがされていないので、模写なのかと思ったくらい、、。(^^;) ピカソ、ドガ、モネ、ルノワール、モジリアニ、ゴッホ、などなど。 目の保養になりました(^-^)/ 近くにロダン美術館もあり、ロダンの作品にも多くふれることが出来、幸せ~ 街自体は、当時不況のせいもあって、閉鎖された工場などがあり、さびれた印象を受けました。 今はどうなっているでしょうか。 次ぎは、ナイアガラの滝を見にバッファローに飛びます。
ナイアガラの滝の しぶきは凄かった(^^;) フィラデルフィアからナイアガラの滝の近くの町バッファローまで飛行機で飛び、そこからバスで滝の近くまで行く。 ナイアガラの滝は、カナダとアメリカの国境にあって、カナダ滝とアメリカ滝のふたつがある。 国境の近くでバスを降り、歩いてボーダー越えをすることにした。国境付近に小さな事務所があって、パスポートをチラッと見てハンコをポンと押されただけ(^^;) 何か聞かれるのかとか、手荷物検査もされるのかなぁと身構えて行ったので、なんか拍子抜け~ そして、ボーダーを踏み越え、カナダへ。 宿泊予定のモーテルまで、テクテクテクテク歩き(かなり時間がかかった)、チェック・インして荷物を置き、いよいよ滝の見学。 滝の裏側に行かれるようになっていて、レインコートと長靴(真っ黒でカラスのようだ)を借り、エレベーターで降りて行く。ドドドッという、ものすごい水の落下する音。霧雨のような水飛沫。 目をあけているのが難しいくらいで髪の毛は飛沫で濡れはじめる。 展望デッキに行くが、落下する水量がものすごく、その轟音がお腹に響き、側にいるのに会話もままならない(^^;) さらに下のほうまで降りて行かれるようになっていたが、滑りそうで恐かったので行かなかった。 マリリン・モンロウ主演の映画「ナイアガラ」はここで撮影されたのかなぁと、ふと思った。 それから、滝つぼの近くまで遊覧船で行かれるというので、それに乗る事にする。またまたレインコートと長靴(今度のは黄色)の貸し出しがあり、「霧の乙女」号に乗り込む。 近づくにつれ、これまた、すっごい水飛沫で前方がよく見えない。 外のデッキに出ているとずぶぬれ状態。 レインコートを貸してくれるわけだ~ ナイアガラの滝の雄大さを肌で感じ取ったのでありました(*^_^*) 次ぎは、オンタリオ湖の湖畔にある街、トロントへ。
快適な鉄道の旅 トロントは、公園の多い静かな町という印象で木々に囲まれた公園の散歩道を歩いたりしてのんびり過した。 ここから、モントリオールまでカナダ横断鉄道に乗った。短い距離だけどカナダの鉄道に乗って見たかったので嬉しかった。 座席は日本の新幹線より広くてゆったりとしている。車窓からは灰色の水面が穏やかなオンタリオ湖が見え雄大な自然を満喫した。 途中、お腹がすいたので食堂車に行き、チキンヌードルスープとサンドウィッチを食べる。これが、美味しかった。 (^-^)/ 特に変わった具が入っているわけではないのだが、旅の途中に食堂車で食べているという気持が美味しくさせたのでしょうか(*^_^*) そうこうしているうちに、モントリオールに到着。 モントリオールでレンタカーを借りて市内を見てまわり、ケベックまで行こうと計画していたのだが、 レンタカーの予約はしていなかったので、とにかくカウンターに行く。 と、ところが、、、、。 予約もなくクレジットカードも持っていない旅行者にレンタカーを貸してくれるところはなかった(T_T) 19年前の日本では、クレジットカードは今のように普及してはおらず、すべてキャッシュでという感覚が強かったので、特に必要も感じずに日本で作っていかなかったのです。 買物も銀行のバンクチェックが生活しているノックスビルでは使えたので、今まで不便に感じた事もなかったし。 ここで、私たちは、アメリカのキャッシュレスのシステムを強く心に刻む事になりました(^^;) でも、車がないと、この先どうやって旅行を続けたらよいやら、、、。 どうしよう~
やっとのことで 二人で青くなって途方に暮れる(--;)。 もう一度DEPOSITを払うからと交渉してみることに、、、。 すると、HERTSだけ、貸しても良いよ!と言ってくれた。ばんざ~い(^-^)/ でもでも、なんと200ドルも置いてくるはめに、、、。まぁぁ仕方ないか。 借りられただけでも良かった、よかった。(*^_^*) これからは、HERTSのレンタカーを贔屓にしようと心に誓い、手続きを済ませる。 さぁ、これでドライブを楽しめるぞ~、ルンルン気分で高速にのった。 が、困ったことに標識が 良く分からない(^^;) 頻繁に「QEST」という文字が出てくるのだが、そういう町は地図に載っておらず、どこを走っているのやら、わからなくなり心細い。 そのうち、ハタと「WEST」のことかも、と思い付き、おっと いけない私たちはEASTに向かうんだと引き返した(^^;) だんだん暗くなって来たので、適当なところでモーテルに入る。ヤレヤレ(^^;) 今日は、なんだか付いていない日だったけど、これで、休めるなぁと、ほっとしたら、お腹が空いてきて、近くのマクドナルドに入った。 何にしようかなぁとメニュウを見ながらカウンターの前に立つと、なにやら聞きなれない言語が、、、。 それはフランス語だった(^^;) ここケベック州はフランス語圏なのであった。 なんとか注文をすませ、ハンバーガーにありついたが、言葉の通じないことの不便さを実感したのだった(^^;) |